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僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46のkiritoのレビュー・感想・評価

4.1
【天才】

欅坂46は2017年の紅白歌合戦の「不協和音」のパフォーマンスとその後のメンバーが倒れる騒動により一躍お茶の間に認知された。その後2019年にも「不協和音」にリベンジし、無事に圧巻のパフォーマンスを披露した。

モーニング娘やAKB48、そしてももいろクローバーZ…アイドル戦国時代にあって作られてきた「既存のアイドル」という概念をぶち壊した「攻撃的な歌詞」と「笑わないパフォーマンス」。

常に「世に対する反抗」「自分を貫く」という攻撃的な歌詞は若い世代にも圧倒的に支持されたが、そこを支えたのは不動のセンター「平手友梨奈」による功績が大きかった。
もちろんファンが一番それを感じていたが、この映画を見る限りその想いはメンバーも感じていたということが伝わってくる。
今までのアイドルは基本的に選抜性やセンターを交代させる手法をとっていたが明らかに突出した才能をもつ平手友梨奈という存在は彼女達の前にも絶対的な存在として君臨し、ある子の言葉を借りれば「私たちは彼女を引き立てるバックダンサー」という存在だった様である。
とは言え、ドロドロの女子グループの間にあって「彼女だから後ろで踊れた」と言わしめるのだから平手友梨奈のパフォーマンスは間近に見てた彼女たちこそ異次元に見えていたのかもしれない。

この映画は、欅坂46のメンバーが語っているが、結局は平手友梨奈ありきの作品となっている。

これまで長くドキュメンタリー映画が唯一作られなかったグループであるがそれもまた彼女の存在故か。

今でこそ代名詞となった「不協和音」。
それだけでなく映画館で観る彼女のパフォーマンスはあまりにもかっこよく文字どおり震えた。

欅坂46はその名前とはお別れする。
けれどもこの映画を観てやはりそれは正解だと確信した。
欅坂46はどこまでも「平手友梨奈」の存在が付き纏う。そして同時にそれを感じるのは我々ファンではなく彼女たちなのだと。

最終曲「誰がその鐘を鳴らすのか」。
是非、新しいグループとして活躍していってほしい。

2020.9.6
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