たまご犬

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46のたまご犬のレビュー・感想・評価

3.9
ふいに思いたって鑑賞。
欅坂さんのパフォーマンスは心惹かれるものがあるし、メンバーは全員顔と名前がわかる、たまにネットに転がってるライブ映像を見たりする
でも、ライブに行ったりCDを買うようなちゃんとしたファンではない…といった感じでした。

平手さんの存在感にはやはり圧倒されるものがあり、
例えば
序盤のイタコ状態のダンス[ガラスを割れ]
抵抗していたステージに上がらされ、しかし曲がかかればこれ以上ないようなうつくしさで動く手足[角を曲がる]
小さい子が顔を歪めるような、無垢な絶望の顔つき[黒い羊]
正直どれも心がひりつくようなシーンなのですが、いや、だからこそなのか、映画館の大きなスクリーンで観て体の内側がびりびり震えました。

興味深かったのは、メンバーのバックダンサーになりたいわけではないけど、平手さんの後ろなら踊るみたいな感覚。
そこまで1人の年下の天才性をグループ全体で認めるのは、(それぞれの心のうちには色々な感情があったにしろ)普通はできないことじゃないかなと同性として思いました。
だから、心が通じ合わなかったことはもちろん多々あっただろうけど、彼女たちは多かれ少なかれ同じ暗さとストイックさを抱えた人たちなんだろうなと。平手さんがいれば欅坂になったわけじゃなくて、平手さんと彼女たちだから欅坂になったんだなと。
なんとなくですが、彼女たちの言葉の選び方とかパフォーマンスとか見て感じました。

わたしは小林由依さんが好きなので、彼女の素直で少し鋭さのある性格と、センターを見て感情の混ざった涙を浮かべる感受性、平手さんとの絆(と思いたい)を感じさせるいくつかの場面で、ファン目線でときめきました。
ここまで書いていてなんですが、この映画、肝心なことは何もわからないんですよね。メンバーが語っていた、または言葉が見つけられないでいたところは、たぶん当事者じゃないとわからない感情。
だから、こうやってエンタメ的に消費するしかないような皮肉。
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