ボギーパパ

大怪獣のあとしまつのボギーパパのレビュー・感想・評価

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
4.0
2022-14 TC川崎

本作、予告編を見てかなり期待していた。

私『シン・ゴジラ』大好きで、「ここ!そうだよね!まさにこれだよ!」って感じでこのテーマを、スキマっていうか、目の付け所っていうか、そういう意味で観たいっていう期待がものすごく膨らんでいた。

しかも予告編で政治劇、政策決定者の話だとわかっていたから。『シン・ゴジラ』が何故好きかというと怪獣という「危機」に対する政府への揶揄表現がいちいちツボに嵌って膝を打つ楽しみ方ができだからだ。人間喜劇に滲ませるアイロニーは映画の醍醐味

どう考えても大怪獣=原発メタファー、ベントなどの危機に対する政府の面々、各省庁の思惑やマウントの取り合いなど、決められない政府やその対応を揶揄、、、

しかし今作、このタイミングでの公開は一つの「不利」があった。『Don't look up』の存在だ。地球規模的危機に対する政府揶揄を中心軸に据えた作品を、目にするタイミングが近かった。どうしても比較してしまうし、、、あちらの規模、真に迫ったそれでいてコメディによる、強烈なメッセージは、社会批判作品として観る側を魅了し、印象づけるものであった。あの作品のゴージャスさと比べちゃうと・・・

とはいえ、本作のコメディ色が完敗というわけではない。規模の差はあるものの十分楽しめる作品である。

西田敏行、六角精二、笹野高史、岩松了、銀粉蝶はじめ芸達者の手練手管はコメディとしての見応え十分。ベテラン勢の頑張りに加えヒーロー&ヒロインも複雑な関係性、そしてそこに絡む濱田岳の微妙な立ち位置と一筋縄にはいかない作品。これ、前日譚も例えば今流行りの配信とコラボとかしたら面白かったかも・・・

いや、やはり怪獣=希望が、死んだところから始まっているのが良いのだろう。物語がボケちゃうから(^^)冒頭はスタイリッシュだったと思う。何故か怪獣は死んだ!その何故かはここでは触れないが、終盤その秘密が明らか?になる。この写し方、描き方も洗練されている。好きだなぁこういうの(^^)

批判精神溢れて、それでいてエンタメ性も高く、たっぷり笑わせてくれて、ヒーロー&ヒロインの
山田涼介・土屋太鳳さんの美しさ、眞島秀和さんの隊長っぽさも楽しめた。特に太鳳ちゃんが太鳳さんになったというか大人びた魅力に魅せられた。

そういえばシンゴジラのゴジラの凍結死体?はどうしたのだろうか(^^)
不穏なラストを思い出させてもくれました。



追記:
皆さんのレビュー、鑑賞後に読んでみました。酷評が多いのもよーーーくわかります。
そりゃそうでしょうよ(^^)
でもね、こういう映画がなくちゃと思いませんか?私は十分楽しめましたよ(^^)

目の付け所は良く、メタファー、ギャグが織り混ぜられ、そしてリスペクトも含まれている。良いじゃないですか?ウ○コかゲ○とか、パン○○見えとか、今言えない、表現できないって、映画はお金払っての、ブッシュでなくプルでの行動なのだから、表現として受け容れませんか。まぁそこでの評価は自由ですが(^^)
私はこの作品、高評価します。
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