うにたべたい

大怪獣のあとしまつのうにたべたいのレビュー・感想・評価

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
1.7
突然の眩い光に包まれ、日本中を恐怖の底に陥れた巨大怪獣は倒れた。
人々は安堵し、平和な日常が戻ってくると思われたが、政府にはまだやるべき大きな仕事が残っていた。
それは、"怪獣の死体を片付けること"。
怪獣には未知の病原菌などが残留している可能性があり、また怪獣の死体には不廃ガスが溜まり爆発のおそれもあった。
一方で、観光資源として有効活用できるのではという案もあり、政府は死体の扱いに頭を抱える。
本作は、そんな大怪獣のあとしまつに振り回される人々の苦悩を描いた映画です。

2016年シン・ゴジラが大ヒットし、その熱冷めやまぬ頃に公開されました。
倒した後の怪獣の話という興味を引くテーマで、私も公開当時は劇場へ見に行こうと考えていました。
だが、公開数日でレビューは大騒ぎ、"令和のデビルマン"と呼ばれ、『邦キチ!映子さん』でも取り上げられるという、不名誉な意味で話題作となりました。
劇場には観に行きませんでしたが、DVDレンタルが開始されたので観てみることにしました。
そんなわけで、デビルマン視聴時同様、期待値0からの視聴開始です。

結論から言うと面白くなかったです。
デビルマンは主人公がめっちゃ棒だったり、唐突なシャウトが入ってシリアスが台無しになったりと、ネタ的な意味で楽しめましたが、本作はネタとしても辛い約2時間でした。
シン・ゴジラのように対応する政府と現場がメインなのですが、中途半端なシリアスと、どう反応したらわからない下ネタギャグが展開されます。
もし劇場に観に行ってたら途中で離席しちゃったかもというほどのレベルで、劇場に観に行ってネットで大騒ぎしてくれた方には感謝しかないと思いました。

怪獣を倒した後の話といえば、真っ先に『怪獣の日』が思い浮かびます。
名作の『怪獣の日』をスルーして、"斬新なテーマ"だとか、"恐らく史上初めて描いた映画"だとか言われているのも個人的にはマイナスポイントでした。
ウルトラマンでも、ゴルドン回では倒した怪獣から金を採掘したり、シーボーズ回では怪獣墓場へ返したりしていて、これまで描かれなかった設定でもないのに、妙に持ち上げられていると感じます。
倒されている怪獣も、オードソックスな二足型っぽいのですが、特徴が無いです。
巨大さは感じましたが、腹部の傷しか外傷がなく、生前の特技や倒され方が死体からイメージできませんでした。
倒されるまでのドラマの情報が少なく、想像ができないのもいまいちなポイントだったように思います。

クレジット後では次回作の予告まで入れて、火に油を追加投入。
個人的には褒めどころが見当たらず、期待せずに観たのですが、ネタにもならなかったです。