正月明けに行方不明となった高一の息子は同級生殺人事件の加害者で生きて逃走中か？一緒に巻き込まれ亡くなっている被害者か？家族それぞれの望みを描くサスペンスミステリー。これは辛い。父親の身で観るとなお辛い。主人公である父親を取り巻く状況設定が現実的で上手く、彼の心情が痛いほど分かる。流石の奥寺佐渡子脚本。際立つ特徴はないが、画のトーンが少し安い以外は丁寧な良い出来で堤幸彦監督を見直す。原作が良いのかな？ 我が息子がこんな事件に関わらない事を切に願う。堤真一が落ち着いた良い芝居と佇まい。石田ゆり子は年齢を経てなお可愛い。妹役の清原果耶はちょっと中三生に見えなかったが自然な佇まいで好印象。松田翔太が不気味な雑誌記者を地味に好演。竜雷太も渡部哲も芝居が濃くてわかりやすい。女性刑事が感情見せなすぎで若干過剰演出に感じたが、加藤雅也の枯れた感じの刑事具合は良かった。舞台となる家が外観も内観も好み。鳥瞰から家前までの1カットドローン撮影が美麗。
