セサミオイル

望みのセサミオイルのレビュー・感想・評価

望み(2020年製作の映画)
1.0
反面教師な意味で勉強になる内容。

アラばかりが目に入ってくる造りになっていて、鑑賞後どこがどう、どの程度ダメだったか話合う事で映画制作の難しさも見えてくる。
だってこれだけの映画なら大勢のキャストとスタッフ集めてリビングのセット拵えて、カメラと照明入れてメイクしてやる事山積みで実作業もとんでもない量でしょう…
それでも面白いかどうかは別な訳で、良い映画がどれだけ尊いのか浮き彫りになってくる。
ミスリードが雑で思わず吹き出してしまう。
邦画で言うなら『アフタースクール』とか『サマータイムマシンブルース』かな。『カメ止め』とかも。「あの時こうだったのかーー!?ああ!別の角度から見たら確かにそうだーー!てっきり悪い人だと思ったのにそれは確かにこっちの先入観の問題だよなー!」とか気持ち良いミスリードって楽しいものなんだよね。この映画『望み』のミスリードは全くもってその領域には届かない。単純に嘘をつかれる(笑)後半実はこうでしたー!と言われたら「え?前半と後半で別々の映画なのかな?」って思っちゃうほど、最初の見せかけと後から出てくる真実とに繋がりがない。
「もっと注意深く観てたら分かってた事なのに!」という悔しさが楽しさに繋がるんだけどそういうのゼロ、ストロングゼロより安っぽい。
物語の構成、チャプターの順番(?)がお粗末過ぎて最後のタネ明かしが後出しジャンケンでしかなかった。
あからさまな説明的演出もあり、道徳の授業で小学生に見せるビデオかと心の中で突っ込み入れた。
観客の知性・理解力・解像度が試されるような映画が僕は楽しいんだけど、この映画『望み』はそれの真逆で観客を信じてない。観客はバカだと思って作ってる節がある。TVドラマ作ってる人はその思想が染み付いちゃってるんですかね。これはこう言う事ですよと説明しちゃうから映画特有の滲みが無くなってた。
加えて、こういう事ですよと言われても「え?そうだっけ?」と思わされるチグハグさ。

見終えてから監督誰かと見てみたらBECK作った人で大いに納得。
堤真一さん声が良くて大好きだけど映画作品には恵まれないですね。ドラマ出演作は好きなの多い。
石田ゆり子さんはルックスが尊過ぎる。
天使かよ。
スコアの1.0はここに全振り。