140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ドント・ルック・アップの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
3.8
【ホントはもっとヒドイ?】

映画「ドント・ルック・アップ」をNetflixで見た。
中学受験した層に笑いを届けるアダム・マッケイはバカでもわかるようなストレートなディザスターコメディを作った。コロナ禍の今見るとリアリティの硬さ、そして「もっとヒドイ」と思わせられてしまう。リアリティラインが心底不快で希望が薄い。

冒頭の彗星発見シーンの計算されてしまった恐怖、ロケット打ち上げシーンの「アルマゲドン」のマッチョイズム、選挙の票欲しさの政治家。人類滅亡までハッキリ言っても理解できてなさそうな人々。バラエティ番組の薄ら寒さ、リアリティの硬度が高いと思ってしまうほど、現実周囲に疲れさせられてた。

「マネー・ショート」躍らされた感、「バイス」などのモノマネ大会のディテール。「ドント・ルック・アップ」は、地動説がバカにされてた時代の天動説論者の上を見てるようで見てなかった時代にも首を突っ込んだようだった。陰謀論の同時併走もその寒気が今のリアルタイムから吸熱されてるようで…

ディカプリオがオッサンにしては、セクシーなことに対して、ティモシー・シャラメの登場の虚現いけ好かない感じが、障害者役で天下を夢見たディカプリオのあの頃がアクリル板に反射したように見えて、こっちもまた薄ら寒さいんだが、シャラメってちゃんとした人?

何はともあれ、彗星発見からゴタゴタ、対策、右往左往まで2時間20分くらいのボリュームにせざするをえない状況だったので見るのが疲れた。コメディなんだけど、コロナ禍でこの内容は笑いたくても笑えない。本当はもっとヒドイんじゃって思うので…