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ドント・ルック・アップのediのレビュー・感想・評価

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
4.0
半年後に地球に衝突する彗星を発見した学生と博士が、その危険を知らせようとするが、なかなか信じてもらえず、ハチャメチャになるコメディ。

権威のない学者の言うことは誰も聞かないというところは、「星の王子様」を思い出させたし、政府がとんでもない危機を信じたくなくて正常性バイアスに陥るところは「日本沈没-希望のひと-」を彷彿とさせた。

そもそも胡散臭い終末論や滅亡論が多すぎて、人々が麻痺しているのだろう。

ムカつく連中が次々に出てきてイライラするが、ラストは良かった。


あと数日で地球が滅亡するとしたら、何をするだろうと、時々考える。

よく、そうなったら全財産はたいて美味いもん食いまくるとか、海外旅行するとか、とにかく贅沢し倒すということをおっしゃる方がいるが、それはほとんど実現しそうにない。

滅亡することが決まっているのに他人にサービスをするような奇特な人は、まずいないだろうと思われるからだ。

則ち、レストランはやってないし、交通機関は動かないし、ひょっとすると水道、電気、ガス等も止まるかもしれない。
そもそもお金は何の意味もなくなるだろう。

家で家族と静かに過ごすか、車のある人ならどこか見晴らしのいいところにでも行ってみるぐらいしかないと思う。道が通れればだが…


この作品のように滅亡まで半年もあれば、いろいろ出来ることがあるかもしれないが、いきなりあと数日ということが分かったとすれば、それを知っている一部の人間は、たぶん公表しないような気がする。

その場合はみんな何も知らず普通に暮らして、最後の日を迎えるのである。
だから、我々が知らないだけで、ひょっとすると明日地球が消えるのかもしれない。

でも、それならそれでいいと思う。最後の最後に人々が混乱して地獄のような有様になるのは見たくないではないか。
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