文o文文

ドント・ルック・アップの文o文文のネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

◯コメディそんな観ないし、どうかなと思ってみたが
すぐに音楽でこれは面白そうと思った
星々を感じるヴィブラフォン(鉄琴)、遠くから飛んでくる観測は電子音、高鳴り与えるブラスにブラックミュージックの格好いい演奏
何度も出てくるテーマ曲だがその度に上げさせる

◯漫才の時事ネタじゃないけど
現代社会構造への皮肉なので10,20年後では面白くはないかもね
最近配信などもあって80年代とかの映画みて、価値観からくる演出が男くせ~みたいのもたまにあるから
ブッシュ政権時代の映画みたってそう
きっと未来も距離が生まれてしまってる


◯アリアナ・グランデ
恋人云々を亡くなってるのに数年後にこれをやるんだ
ビジネスに徹してるというか


◯ラストは…
隕石衝突、人類滅亡だと悲観的に終わり、その悲観さがある意味コメディを台無しにしてしまう
(自分個人はそう悲観的でもないが)

でも隕石それました、破壊できました、同じ社会つづいてます。
どれをとってもその方向性の終わりかたは、無理矢理に明るいニュースやる番組と同じで
ストーリーが積み上げてきた
これおかしいだろの、あちら側に作品そのものになってしまう

はてラストどうするのだろうか…と残り30分観ていた
そしてラスト


2:04:40 皆でディナーの準備する
遅れてやって来た黒人のオグルソープ博士は、食べてる最中の事

「今だから話すが、私は手作りよりジャンクな食べ物の方が好きだ」

「ウソだろ」

「幼少期の思い出の味ね」不倫をされた妻、客をフォローする

そんな告白を皮切りに
「夫はコーヒーにこだわりがあるの、今日も豆から挽いてるの」や
「夫はコーヒー、私は紅茶が好みよ」などと最後の晩餐に食の話題へ
ごくありふれた会話にふと、レオナルド・ディカプリオ演じる博士は

「考えてみるとみんな…
何でも持ってたんだな、そうは思わないか」

グラスも皿も揺れている中で聞き逃してしまいそうな、主人公の最後のセリフ

ジャックフードというのも
マクドナルドの歴史を知ると、いかに大量生産し広告を見ただけで連想させ、中毒的に再びあの味を口に中に再現したいかという思いにさせるかで片田舎にあった店が大企業になってた

ディナーのようにゆっくり食べるのでなく1人壁や窓に向かい、食べる時間をも少なくとも
生産時間も極力少なくしてった、消費社会的な歴史の現れの食べ物

あの最後のセリフは博士自信の必要以上に求めた不倫にも言える事だが
ビジネス優先の消費社会、今では情報と個人の感情もコントロールし収入へと結びつける社会へのアンチテーゼであるセリフ


映画に度々でるSNSチックに編集された映像もまた必要以上に
興奮するものを、驚く出来事を、その時間に、
感情という味のソースを指先でペーストする映像なのだと思う


もしレオナルド・ディカプリオが怒り狂って伝えてる場面で終えてたら、同じように今ある現実を肯定しろよと伝えてても、全く別の映画になる

伝える時は内容よりも感情
相手がYESと言えるかどうかだから


ちなみ音楽であれば話はべつ
不満やうっぷんの歌詞に叫ぶという身体的開放とノリノリならOK

演説はその両方を利用し不安与える、うっぷん持たせ、ノリの良い曲で現れては去る、そして曖昧なキャッチフレーズを宗教的に叫ばせる

映画、音楽、演説どれもルーツから歴史が洗練され、クソなビジネス土台のアメリカ
国内だけでなく他国に武器売ってもうけて
でももうすでに

何でも持ってたんだよ
そうは思わないかアメリカ
文o文文

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