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お色気戦隊 熟レンジャーのうにたべたいのレビュー・感想・評価

お色気戦隊 熟レンジャー(2012年製作の映画)
2.3
私も、過去に"072戦隊 Gレンジャー"だの"愛裸武戦隊 アイリンジャー"だの、とんでもない設定の戦隊モノを観てきましたが、そういう色物の特撮モノって結構たくさんあるんですよね。
本作もタイトルからその類で、一線を退いたアダビデ女優が集結し、自虐的なタイトルをものともせず、腹の出たおっさんに学生服着せて襲いかかる内容に違いないとワクワクしながら再生したのですが、意外にも一般の熟女女優が主演のR指定のない、普通の映画でした。

男性不足により存亡の危機に瀕した月から、かぐや一族の中年女性5人が地球に降り立ち、若い男性を連れて帰ろうと画策する内容です。
戦隊モノらしくそれぞれ戦隊カラーが振られていて、『ムーン!』の掛け声とともに、戦隊っぽい月のコスチュームに身を包みます。
また、5人の熟女は見た目は普通の熟女ですが、超能力のような技、ムーンパワーを出すことができます。
月から優秀な子種を品定めに来た熟女の5人はその力で悪を懲らしめる、ようなことは特にせず、寄り場にしているスナックで男に声をかけ続けるという、わけがわからない戦隊モノですね。

戦隊モノのようですが悪の組織はおらず、熟女のため激しい殺陣もありません。
かぐや一族と密かに連絡をとっている地球の宇宙機関・DASAからの要望で、DASAの予算を仕分けようとする民民党について調べるうちに、熟女5人は黒いスキャンダルを嗅ぎつけるという、昼ドラのような展開となります。
一体ターゲットはどこなのか、戦隊モノ好きの特撮マニアか、昼ドラ好きの主婦層か、あるいは熟女好きのおじさんか、どれにしてもずれているような気がします。
故郷の星が、あろうことか熟女にナンパをお願いしないといけないくらいまずい状況なのであれば、"お色気戦隊"のタイトル通り、色香で惑わすくらいのことするべきではと思うのですが、本編中"お色気"シーンはほぼ無く、5人のおばちゃんはスナックで議員の愚痴聞きをしたりします。
熟女とはタイトルだけのエロ女優がお色気を使って戦うような内容を想定していたのですが、名前通りの熟女がご近所を走り回る展開だったので、個人的には期待はずれでした。

DASAが対象になった国家予算を巡る事業仕分けを取り仕切る国会議員「方丈連子」が、『2番じゃダメなのか』と車のドアから捨てた不倫相手「樋口益男」を熟レンジャーが拾い、冴えないが悪くない益男をあわよくば月に連れ帰ろうと企みます。
連子は元グラビアアイドルだったり、挙動も明らかに某現役国会議員のあの人を想起させます。
また、民民党の裏には「大沢一郎太」という議員がいて良からぬ噂が立ち込めるなど、『○○レンジャー』という軽いタイトルの割に社会風刺が厳しい、かなり攻めたストーリーだと思いました。
全体的に微妙な作品ですが、設定だけは攻めていてそれほど悪くもなかったかなと思います。