takanoひねもすのたり

Una libélula para cada muerto(原題)のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.4
英題の『Dragonfly for Every Death』を訳すなら『全ての死はトンボのために』とかかなあ?
(己の語彙力の惨敗)
レオン・クリモフスキー監督による1974年作のジャッロ。

ミラノの街で連続殺人事件が発生。
被害者は麻薬ディーラー、売春婦など。
捜査にあたるスカポレラ警部(ポール・ナッシー)は事件を追っていたが、知人が殺害されてしまい、妻のシルバナ(エリカ・ホワイト)も犯人探しに乗り出す、というサスペンス。

トンボのブローチ?は、死体のうえに乗せられているんですね、犯人による刻印というか印というか。
街のスラムのクズ共を一掃したるわ!という思い上がりが動機です。
何故トンボなのかはヒアリングが追い付かず謎のまま……、ただ、犯人の犯行のトリガーは生い立ちと性差別からが発端だった模様(多分)

今回のポール・ナッシー。渋いダンディさ。
ちょいちょい葉巻を吸い物思いに耽ります。
ニヒルです。
愛妻家の役どころで、おまけで可愛いエプロン姿のポール・ナッシーも。愛い姿。

ジャッロですが、全体がほの暗いのはスペインだからでしょうか。
(舞台はミラノですが撮影はスペイン)
殺人シーンのショッキングな絵面はなかなか良き。血糊自体は少ないものの箱に入った生首や犯人が殺害に使う仕込み傘など小道具もうまく使ってます。トンボは謎だけど。

見所は、ある被疑者を追って遊園地での銃撃シーン。被疑者がジェットコースターに乗って逃げます……これ一周したらお前出発点に戻るやろ……という突っ込みをよそに、レールの上を走るコースターに乗りながら被疑者は応戦。
ジェットコースター銃撃戦……、アイディア面白い。

この時代の女性のファッションは見ていて楽しい、インテリアもレトロな感じが可愛い。
そしてサントラも結構良いのです。
クセになりそう。