Hideko

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のHidekoのレビュー・感想・評価

4.0
原題: Hors normes
英題: The Specials

久しぶりに見ました。温かくひたむきなヴァンサン・カッセルの素敵な笑顔を!

自閉症と言っても、その症状は千差万別で、一人一人に手厚いケアが必要であり、特に自傷行為が懸念されるような重症者は24時間体制の監視が必要であるという事実。

弱者に向けられる眼差しのなんと親身で優しいことか…。彼らに関わり共に生きていくことの困難さ、そして、逆に彼らによって援助の手を差し伸べる側もまた生かされているのだなと。

本作の鑑賞をもって、今現在、日本で鑑賞可能な、両監督(オリヴィエ・ナカシュ、エリック・トレダノ)の全作品を制覇しました。(『最強のふたり』のドキュメンタリーのみが未見なので近々是非)。

本作のサブタイトル「政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」
これおかしくないですかね?自分が女性だからというわけではありませんが、施設の存続に尽力したのは男性だけではありませんよね。病院の女性スタッフ、施設の女性スタッフ、そして患者の母親…。常々ここにも書いていることですが、タイトルも作品の一部だと考えているので、難しいとは思いますが細心の注意が必要ですね。

本作の制作にあたって、ヴァンサン・カッセルとレダ・カデブの2人は実際に施設を訪れそれぞれが演じる役のモデルと長時間過ごしたということです。脚本がまだ無い段階での監督からのオファーを快諾した彼ら。役作りに対する深い情熱を感じずにはいられません。
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