あき

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のあきのレビュー・感想・評価

4.0
どの施設からも受入れ拒否された重度の自閉症児を無条件で受入れケアする民間団体が、無認可を理由とした政府からの閉鎖の圧力に、行政の規則の狭間で行き場を失う児童を守るために奮闘した男たちの実話。
過度に感情に訴えて泣かせようとするようなあざとい演出は避けられ、まるでドキュメンタリーを観ているかのように淡々と描かれるのに、様々な問題を抱えたひとり1人と向き合うその真摯な姿に気がついたら涙がはらはらと溢れる心洗われる物語だった。
それもやはり「最強のふたり」や「セラヴィ!」の製作陣の演出によるものかとさすがだなと唸る。
主演のひとり、ヴァンサン・カッセルを初めて観たのは「ドーベルマン」(1997)だったけど、そのときのヒリヒリするようなとんがったイメージと真逆な役柄も新鮮だったし、
逆にもうひとりの主演のレダ・カテブもぼくが初めて存在を知った「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012)の米軍に拷問される男の役の印象が強烈だったけど、
いずれもこれだけの振れ幅の役どころに見事にハマるその演技力に圧倒される。
あき

あき