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空白のkazuoのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
4.5
空白
古田新太はもちろん、松坂桃李や寺島しのぶもなんか嫌で誰にも感情移入出来ないからすごく論理的に観てたのに後半…
もう感情でしか観れず😭
傑作‼️

ストーリーはスーパーで万引きし逃走した女子中学生をスーパーの店長が追いかけた事により交通事故に遭い女子中学生が死亡、その女子中学生の父親が事実解明のため徹底的にスーパーの店長を追い詰める内容となっていて、これに周辺の人々やメディア、SNSによる第三者も関わる事で様々な問題が提起される形になっている。

分かりやすく描かれているけれど思考の拠り所がなく複雑な前半。後半は親切すぎるほど分かりやすいが、それは監督が最も伝えたい事だからと受け取る。そしてそれは私の心に強く響いた。

被害者の父(古田新太)とスーパーの店長を擁護する店員(寺島しのぶ)は真逆の立場だけれど行為は同質であり、そこにあるのは"根拠のない正しさ"である。そして同質だった2人は後半にそれぞれ契機がありそこで2人は異質になる。その要因は「受容・拒絶」である。

タイトルの意味は個人的な解釈として、「他者の理解」の欠落が自分という器の中ではブランク(空白)になっている、そう捉えていたのだが、物語の最後にそれぞれの文字を独立させた「空」と「白」が繋がりを持たせてブランクを埋める形で幕を閉じ、観るものに深い余韻を残す。
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