ぴくたん

空白のぴくたんのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
4.2
【あらすじ】
スーパーの化粧品売り場で万引きしようとした女子中学生は、現場を店長の青柳直人に見られたため思わず逃げ出し、そのまま国道に飛び出してトラックと乗用車にひかれて死亡してしまう。しかし、娘の父親である添田充はわが子の無実を信じて疑わなかった。娘の死に納得できず不信感を募らせた父親は、事故の関係者たちを次第に追い詰めていく。

【感想】
新聞記者に続く社会やマスコミへ問いかけるスターサンズと、ヒメアノ〜ルから大ファンの吉田恵輔監督の問題作。

誰しも起こり得る日常からの逆転。

登場人物が豊富で多角的に捉えられているのだけど、共通して向き合わない人ばかり登場していて、現代社会っぽさが色濃く出ています。

側に居るだけで知った気でいる人。
どうせ伝わらないと諦めて黙る人。
自分が正しいと思って突き通す人。
自宅も職場も無関係にズカズカと踏み込んでくるマスコミ。
面倒事を増やしたくない学校。


「話、聞けよ!…疲れたなぁ」

この言葉に作品のすべてが詰まってる気がしました。


唯一、向き合おうとしていたと感じたのが添田の漁師部下だった野木。
思っていることをキチンと伝えて会話しようとする彼の台詞が心地良かった。

お互い尊重し合うことで人は繋がれる。
改めて感謝の気持ちを大事にしよう。
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