とにかく暗い。暗すぎる。
重苦しく、視聴者全員を暗くさせる映画。
ただ、考えさせられる非常に深い内容だった。
この空気感は邦画ならではの魅力がある。
事の発端である万引き女子高生。
その娘を精神的に追い詰めた父親。
やり過ぎな追跡をしたスーパー店長。
生徒の気持ちを鑑みない学校側。
行き過ぎたお節介焼きの強要ボランティアババァ。
事故を起こしてしまったドライバー。
全員が被害者だし全員に非がある。
その中でもスーパーの店長は一番かわいそうだとは思う。
万引きされたら追いかけるしかないって….。
ピタゴラスイッチのように、全ての因果が重なり合ってこのような悲劇を生んでしまった。
上記のようにみんなそれぞれ仕方ない部分があるが、
この作品に登場する中で唯一の「悪」がいる。
吐き気を催す邪悪が….。
それは「メディア」。
本当に救いようがないくらいゴミクズ。
映像を断片的に見せ、偏向報道をいとも容易く作り上げ、視聴者をコントロールする。
そしてプライバシーや人の気持ちを一切考えない、無機質な目と機械の群れ。
これは現実世界でも頻繁に行われているから非常に胸糞悪い。
気付いてないだけで、今まで自分もこのようにメディアにコントロールされていたのだろう。。。
事件後の世論の流れとかもかなりリアル。
事件の渦中人物のコラ画像作られたり、2chの書き込みだったりと妙にリアル。
特選海苔弁当を頼んだ主人公が、ただの海苔弁当になっていて電話でキレ散らかすところが一番印象的だった。
あのシーンだけで、死ぬほど追い詰められている事が痛いほどわかる。
ただただ辛い…..
現実でもあるよね、精神的に追い詰められた時、些細な事でも爆発しちゃうこと。
実際にこういう事件は間違いなく起こり得るので、他人事だと思えないのが怖い。
色々と考えさせられる作品だった。。。
これだけは言いたい。
何が真実かは、当事者しかわからない。
決してメディアは信用しちゃいけない。