ひとつの事件で浮き彫りにされていく人間の業、善悪の是非。
知らない内に自分の行動、言動が誰かを傷つけているかもしれない。
息が詰まるような作品だった。
寺島しのぶがキツかった。
親切の押し売り、自分の行動が正しいと思い突き進むタイプ。迷惑な人だ。
後半のエピソード
スーパーの弁当が美味しかったと伝える青年。
このシーンが良かった。
心からの声が彼に響いたと思う。
主人公も娘と向き合って居る様で状況証拠ばかりにこだわり、彼女の心の中まで思いやることができなかった。
娘が遺した数々の軌跡。
それらを紐解きながら彼女自身の置かれてた現実と向き合う父親としての心情。
改めて古田新太は繊細な演技のできる役者だと思う。
イルカの雲の絵で父親と娘の心が重なった瞬間に見せたあの演技、良かった。
無くしてしまった物は大きいけれど救いのある終わり方だと思う。
