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アイヌモシリのNのレビュー・感想・評価

アイヌモシリ(2020年製作の映画)
4.6
2021初映画館始まり
映し出される北海道の景色。緑や湖や森、圧巻の美しさだった。
事前情報をあまり入れないで観たのですが、主人公とその母親が実の親子で、取り巻く人々も殆どが実際のアイヌの人。率直な感想を言えば同じ言語を喋って同じ国に住んでいるのにどこか異世界での生活を映し出しているような不思議な浮遊感があった。
アイヌについて殆ど無知で、彼らとの文化の違い、住んでいる環境の違いなどとても不思議な世界を観ているきがした。
しかしながらその中で生きるカントは、友達とはしゃいで進路に悩み、様々な発見をしていく。その普遍的な物語が私とこの作品を繋げてくれている部分。

カントと母親の会話からこの映画はスタートしますが、この最初のシーンからあ、これは凄いものを観ている気がする。という自分でもなんだかよくわからない気持ちになった。
2人の会話は映画を観ているということを忘れるほど日常的で、小っ恥ずかしくなるほどそこに居る2人の会話だった。こんなことを感じる映画はあまりないのでうまく説明できないのがもどかしいな。そしてそこに違和感なく入り込むリリーフランキーと三浦透子もすごい。
イオマンテの儀式の描写もとても美しかった。感情が動く瞬間を見れる映画。とても好みでした。
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