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アイヌモシリのchiのレビュー・感想・評価

アイヌモシリ(2020年製作の映画)
4.1
ずっと気になっていてようやく鑑賞。様々な感想が渦巻き、どう受け止めればいいのかわからないですが、見て良かったです。

アイヌ民族。その文化。アイヌ文化についてもそうだし、現代の人々がどのような生活をしているのかも全然知らなかったので、それを見るだけでも勉強になる。
その中で描かれる様々な葛藤。文化を知ってもらうためには、自分たちが見せ物になるしかない。自分に好奇の目を向けられるということ。自分たちの大切な祭はカメラやスマホを向ける観光客の中で行われる。でも観光業は生活の基盤。邪険に振る舞うこともしない。
文化を遺す、受け継ぐということ。子どもたちに受け継いでいってほしい気持ちはあるが、子どもはアイヌアイヌと言われる毎日に嫌気がさし、地元を出たいと言う。大人たちだって儀式の歌もルビをふったメモがなければ歌えないし、イオマンテを実施するかは賛否両論。
文化というのは古くから受け継がれて来た大切なもの。でも、受け継いでいくのは非常に難しい。

本人もアイヌ民族だという幹太くんの目と、自然風景が美しかった。


「日本語お上手ですね」と観光客に言われ、「勉強したんです」と答えるが、たぶん勉強したのはアイヌ語の方。
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