ホワイトストーン

青くて痛くて脆いのホワイトストーンのレビュー・感想・評価

青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)
3.8
結構みんな評価低いけど、僕はめっちゃ面白いと思ったし、めっちゃダイレクトに刺さりました。
なりたい自分になりたい。人間誰しもそういうテーマを掲げ生きていく。でもなりたい自分というテーマはどこまでも綺麗事で絵空事か。ここまでこの言葉に暴力性を感じたのは初めてです。なりたい自分になれない自分を好きになれなくて、なれているように見える他人についネガティブな感情を向けてしまう。周りはどんどん変わっていくのに自分だけが変わらない。そのもがきと苦悩は自分が自分に期待しすぎているが故だろうけど、じゃあ、"なりたい自分になる"という言葉自体が悪いのか否かといえばそうではなく、少なくとも今の自分の環境や言動、行動それら全てが、ちゃんとなりたい自分に近付けているのだろうかと、自分自身に踏みとどまらせることで少しは変われるんではないのかと思う。
映画のタイトルどおり青くて痛くて脆い楓という人間を通すからこそ、見える景色も救いもある。賛否両論あるし、理解できない方も多いとは思うけどなぜ僕がこんなにもダイレクトに刺さったかというと、今の僕も楓のように青くて痛くて脆いからだ。