けーすけ

青くて痛くて脆いのけーすけのレビュー・感想・評価

青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)
3.3
2020/08/28(金) TOHOシネマズ日比谷 シアター8 10:50回にて鑑賞。F-8。原作未読

田端楓(吉沢亮)は大学に入ったばかりで人付き合いも苦手。人に不用意に近づきすぎないことで周囲との距離を保っていたが、周りの空気を読まない変わり者の秋好寿乃(杉咲花)に声をかけられる。学内でも浮いた存在で、楓は寿乃を完全にヤバいヤツだと思っていたが、いつしか寿乃の純粋さに引き込まれていき、“世界をよくしたい”という理想のもと楓は寿乃とともに「モアイ」という秘密結社サークルを立ち上げたのであった。
それから3年、秋好は“この世界”からいなくなってしまい「モアイ」は就活系サークルへと変貌していた。大切な仲間と居場所を奪われた楓はかつての「モアイ」を取り戻すため、サークルを潰そうと画策し始めるが・・・










以下感想です。核心ネタバレはないですが、内容には触れますので未見で気にされる方はご注意ください。




痛い、、、超絶にイタかった・・・!!
多くは語れませんが、本作ちょっとした仕掛けがあって途中からテイストがガラっと変わります。個人的に予測していた範疇ではあったのですが、ひっくり返され方は想像できなかったー!タイトルがザクザク刺さってくる展開、青いしマジで痛かった(語彙力脆い)。



主演の吉沢亮がめちゃめちゃにいい演技でした。鬱屈とした感じがビシバシ出ていて「あー、こういうやついそうよね」っていう。超絶イケメンでも空気感で陰キャに変われるのが凄い。あの目力も半端ないですし、大河ドラマ主演抜擢も納得です。

杉咲花も「これはイタいわ…」って感じで登場してくるのですが、愛嬌あるし最強。「横断歩道の白線部分だけを踏んで渡り切ったら願いが一つ叶うのです!」とか、萌えますやーん!


吉沢亮と杉咲花が対峙して言い合いをするシーンがあるのですが、そこの緊張感がかなり良かったです。んもうゾワゾワしっぱなし。見どころの一つです。

もう一つ見どころとしては、終盤に楓が“なりたかった自分”を思うシーンがこの映画の総括としてかっさらって行きました。切なかった・・・。



他のキャストもみんなよかったのですが、登校拒否になりフリースクールに通う女の子、西山瑞希を演じた森七菜が美少女で存在感あって特に印象に残りました。左利きなのに普通のベースをひっくり返して演奏してたのが気になったのだけど(しかも音出てない)、原作もそういった描写なのかなあ。
そんな彼女の中学校の先生がやってくるシーンは無理やり詰め込んだ感があって、内容にちょっとマッチしていなかったような…。

そしてモアイの支援者として登場した脇坂を演じた柄本佑。この人も不思議な魅力があり、演技の安心感はピカイチですね。ちょいちょい美味しいところを持って行くのがいいスパイスになっておりました。



あと、作中では3年間の出来事を行ったり来たりするのですが、画面が陽炎のような歪みをする演出、、、好みが分かれそうです(個人的にはイタく感じてしまった…)。

サスペンスやミステリーを匂わせておいて、実際のところは結構青春モノ。青春というと少し語弊があるかもですが、少なからず楓の気持ちに共感できる人はいるんだろうな、と感じました。



前半は「モアイ」で何があったのかを色々と想像しながら、後半は痛さをガシガシ感じられる映画、面白かったです。


[2020-133]
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