衣装がカッコいいと思った。
凡ゆるものが史料的価値を持つ、とは歴史家の見識か。
しかし、こうした映画を観ると斯く云い換えたくなるーー凡ゆるものが価値を持つ、故に史料となる、と。日露戦争のみならず、今となっては三船敏郎と笠智衆の共演というのも…
お国のためーーその符丁を笑うのも貶めるのも後世の我々は勝手気儘なつもりであるが、その丼に乗っかっている身分で有効なものなのかしら。
しかしながら、確かに、大日本が滅ぼうが腹を切るのは薩長はじめ為政者連中で充分であり、民衆は変わらずというしたたかな逞しさを失ったのも同時期だったのかな。宮古島から石垣島への伝令も、お国のためと括っては何やら片手落ちな気がする。
…まァ、そこら辺は映画の感想としては不適切で、渡辺京二の聞きかじりで云々してみただけのことではありますが。
ともあれ、あまり傑作のようには感じなかったなあ。