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日本海大海戦のnori007のレビュー・感想・評価

日本海大海戦(1969年製作の映画)
3.7
「明治天皇と日露大戦争」から12年後に作られた作品で、音楽、特撮、スケール、共に正常進化しています。特に普段は描かれないようなエピソードが多く盛り込まれているところがまたいい。義和団の乱からはじまり、当時を忍ばせるような盲目の駄菓子屋が登場したり、バルチック艦隊を最初に発見したのは漁民であったりといったエピソードはなかなか他では出てこないかもしれない。旦那を送り出す女房の死生観にもかなり驚いた。

現代の映画では、解説や説明セリフを省いてしまうようになったので一見さんお断りのようになってしまっているが、この映画ではちゃんと戦況を解説してくれロシア艦隊のどこに問題があるか、連合艦隊の優れているところはどこかなどとてもわかりやすいのがいい。

そして何と言ってもラストのロシア艦長をお見舞いに行った東郷平八郎の面会場面は死力を尽くして戦った者同士が交わす会話はなかなか胸に来る。
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