hal

ミッドサマー ディレクターズカット版のhalのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

初めてでDC版を鑑賞。
このご時世なのにほぼ満員だったのに驚き。自分はグロ耐性がある方だと自負していたが、それでもあの映像美と音の不気味さと劇場内の緊迫した空気にやられてか、後半は胸が詰まる心地がした。
あとは三半規管よわ男のため、反転する映像やトリップする場面で画面酔いしたという説もあるが…。
しかし何よりも、嘔吐恐怖のため周りの人が誰かリバースしてしまうのでは?と気が気でなかったのである…。
そういう意味では、もう一度見たいけど見たくない…。

内容面に関しては、自分が鬱経験があるためか終始ダニーに共感した。相手が情で付き合っていることはわかっているし、自分が面倒な女であることもわかってるがどうしようもないという感情と、相手に対してただただ申し訳ないと思う気持ち。責めようという気持ちは本当に全くないのだ!
いつもはクリスチャンに嫌われたくない、面倒だと思われたくない一心でパニックを抑え込むが、終盤で発狂したダニーを村の女性たちはただただ呼吸を合わせながら同じく発狂。
このシーンにものすごく共感した!!正論を言ってほしい訳ではなく、辛いよねって共感してほしいという気持ちはとてもよくわかる。
というわけで私はダニーに激しく共感してしまったため、ラストはなるほどハッピーエンドである、といった具合であった。
そうではない人にとってはラストのダニーの笑顔が恐ろしく感じるであろうから、それはそれで面白い。
見る人によって感じることが様々な映画で素晴らしい!

パンフレットも購入して少し読んだが、民俗学的にもまだまだ考察の余地はあるなあと感じた。日本だけでもかなりの民俗学的な風習等があるので、北欧はまるでノーマークであった…。

一番笑ったシーンは性の儀式終盤でババアが尻を押さえるところであった。シュールすぎる…。

メイクイーンになったダニーの花冠の花が呼吸をするように動いているのは大変気持ちが悪かった。だが、それがいい…!

総合すると、見る場面や角度が様々用意されている素晴らしい映画である!
映像、音も恐怖を掻き立てるのに大変効果的。
何度も見ていろんな考察を重ねたい。
ただ、嘔吐恐怖症的には映画館での視聴はもうやめた方がいい気がしている…。
あと、ゴア表現にも「うっ!」となることもあったが、「スキン・ザ・フール」のような監督オリジナルゲームなど、様々な狂気を作り出す監督にも気分の悪さを覚えてしまった。失礼だが…。
しかしこの映画を通して、自分が想像していた狂気の枠組みを広げることができたので大変良い経験であった。
これは監督の才能だな…!天晴れ!
hal

hal