不在

街の灯の不在のレビュー・感想・評価

街の灯(1931年製作の映画)
5.0
目が見えるからといって、私達は本当に全てを見ているのだろうか。
街の灯りもひとりでに点灯する訳ではなく、誰かのおかげで輝いている事を、我々はつい忘れてしまう。
身なりは貧しいが、美しい心を持つ人もいるように、この世界は見ようとしないと見えないもので溢れている。
人の気遣いや思いやり、そういった心に気付かない事こそ、本当の意味での盲目なのだ。
チャップリンはこの女性だけでなく、これを観た多くの人々の"目"も治してしまった。
彼から貰ったその視界を曇らせない限り、この映画は永遠に輝き続ける。
夜を照らす灯りのように。
不在

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