柏エシディシ

海を待ちながらの柏エシディシのレビュー・感想・評価

海を待ちながら(2012年製作の映画)
3.0
特集上映「再発見!フドイナザーロフゆかいでせつない夢の旅」にて。
タジキスタンの名監督フドイナザーロフの遺作。
最後の最後までフドイナザーロフはフドイナザーロフだったのだな。
土着的でありながら神話的。
牧歌的でありながら現実的。
荒涼とした砂漠は終末の様相、しかしそこには確かに人々の息吹が確かにある。
ヒロインを相変わらず魅力的に描くのが上手い人だなぁ、とか。
土埃舞う風景に差し込まれる空や錆びついた漁船のブルーの彩りが綺麗だなぁ、とか。
いろいろ考えていたら映画が終わってしまった。
宗教や中央アジアの文化や歴史をもっと踏まえていれば、もっと深く映画を理解出来ただろうな、とちょっと悔しく思いながらも、どこか自分達と似ていたり、不思議と懐かしさを憶える世界観に強く惹かれる。
もっとフドイナザーロフの映画が観れればなぁ、と思う。
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