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海を待ちながらのzhiyangのレビュー・感想・評価

海を待ちながら(2012年製作の映画)
3.0
「干上がった海で船を曳く男」という設定の面白さですでに勝ったような映画にも思えるけれど、終わらせ方を考えていなかったのでは??? 「新しい天と新しい地があらわれた。海は消え去ってしまった」というヨハネの黙示録の一節が引かれて終わったけれど、突如として現れた大水に浮かぶ船と白い鳩(?)という組み合わせはノアの箱舟のようにも思える。怒りがおさまって赦してもらえたのか……。お義父さんは死んじゃったし、バカ息子も殺されちゃったけれど……。変な話だったけれど、「これは神話と同じです」と言われるとそんな気もする。

干上がった「海」、乾いた大地、馬とラクダとバイク、たまに現れるシャーマン……とロケーションの絵力が強い。それを見たくて見たような映画なので、見たことのない風景を見せてくれたのだけで、まあ満足。海が干上がった漁村とはいうなれば「終わってしまった町」なわけで、主人公の友人が過去の映像を子どもたちに見せて「何かを信じられる」的なことを言うのは生々しくて辛い。
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