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海を待ちながらのアバダケダブラ屋のレビュー・感想・評価

海を待ちながら(2012年製作の映画)
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船を引くことに関して。

船とは?
あの映画においては過去の象徴。海があった時代の象徴でもあり、あの事故を思い出させる場でもある。そんな船を引くということはすなわち過去を背負って生きていくということである。
そしてあの映画において、生きること≒時が進むことである。重要なのは時間は一方向に一定で流れ続けるということ。映画では、これを象徴的に表すものとして時計が使われていた。

以下、具体例。
・時計が止まる=死(義父、友人の息子)
・彼の船の引き方は時計のようだった。時計回り以外を許容しない。また、時間の進みは一定であるから、それを早めようとする試みはことごとく失敗する。

船を引く≒時を前に進める≒生きる

だからこそ、皆彼に船をひけ(生きろ)という。