まるで最近のジャ・ジャンクーのような特大のアジアン・エモ(ただしヨーロッパの資本入りまくり)。
この人の最良の作品ではないんだろうなと思いつつ、メチャクチャ大仰なのに(冒頭で船が沈んで、いきなり時間が進んだ後のシークエンスでの明らかに余計なスローモーションや音楽)、説明しすぎどころかほとんど説明的なカットやセリフ抜きに進んでいくのが面白い(最初の濡れ場に至るまでの、そして濡れ場自体の早さ!)。
この人は人間関係の描き方が独特で、殴り合った(時には殴り合い以上のことも)次のカットで和解がもう始まってるなんてことが多い。
労働として凄まじそう=撮影現場が大変そうなのは相変わらずだが、初期に比べるとだいぶ予算面で余裕ができたのか、映画に適した空間で、今風の揺れるカメラワークが楽しめる。ただし予算面で苦労したらしい(と英語のウィキペディアには書いてあった)。