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ミッチェル家とマシンの反乱のtakatoのレビュー・感想・評価

4.5
 映画館がで映画が見れなくて幾星霜、そんな中で配信で大傑作がやltつえきた!。茶一郎さんの動画でオススメされていたので視聴したらほんまに凄い作品だった。


 「くもりときどきミートボール」から「スパイダーバース」まで、今やアメリカ映画の大きな星と言っても過言ではないフィル・ロードとクリス・ミラーのコンビが関わってるだけあって、その魅力をしっかり受け継いでいる。


 テンション高いスラップスティックとオフビート両方を兼ね備えた笑い、それでいてしっかり嫌味じゃなく感動させるセンス、アクションシーンも他にないハチャメチャな映像表現の妙、そしてイケてない変人と家族というモチーフ。


 とにかく開始10分ぐらいの掴みで完全に持っていかれた!。その後は最後まで終始集中が途絶えることがなかった。映画のパロディーも、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」、「ウォーリー」、「グレムリン」などなど沢山あるが、単なる引用じゃなくてちゃんと作品内で活きているし、知らなくても楽しめる上手さは流石。


 それにしても、ここまで家族アピールが強い作品が続き続けるのは、アメリカのような国でも家族の価値が本当は危うくなってんのかなぁ…って思わざるを得ない。当然の前提ならわざわざ言挙げする必要がない。伝統は失われた時にこそ言挙げされるという再帰性の話を思い出した。


 確かに人といるのはウザいことばかり、一人で食べていけて好きなものだけ見れれば良い。快不快と安心安全だけを追求してきた現代日本人の本音は正直パルが指摘した通りだろう。だが、それだけでは限界があるのが現代は見えてきた…。そんな凄く良い話をしてるのに、「ビッグリボウスキ」の如く「あ、ごめん。全然聞いてなかった」ネタをかます辺りは唸った。


 それにしても、ぶちゃいくな飼い犬モンチが本作を象徴しているように思える。不細工で役に立たない、要不要で言ったら絶対不要!。そんな存在が掛け替えのない愛おしさがある。作中でも触れていたが、世の中いらない物を切り捨ててきたら「独裁スイッチ」みたいに空っぽになってしまう。無用の用、インスタ映えなんかじゃなく数値化できない愛嬌の味わいを知らなくてはいけない。
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