デイ

Swallow/スワロウのデイのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.4
この映画は監督の祖母が強迫性障害で、異食症もあったらしく、チョークとか食べていて…
昔だから、精神病院で電気を掛けられたり、酷い治療を受けた事等々で、
この映画の着想を得て制作したようです。


とにかく、主役ハンター役のヘイリーベネットが可愛くて美しくて、それだけでも観ていて、惹かれるものがありました。

冒頭、遠くを眺めているハンター

セレブなリッチーと結婚したけれど、幸せでは無いのが分かる。

そして、妊娠…。

リッチーの両親…つまりハンターにとっては舅と姑。
特に姑の圧が強い。

こんなにセレブなのに、ハウスキーパーを雇う事もしないのか…。
それは、ハンターが、家の事を何もかもする事で、自分の"妻としての存在"を夫であるリッチーに示したかったのだと思う。

なので、外出はせず、ひたすら家事をして、時間の合間にスマホのぷよぷよ?ゲームをするぐらい。
と、引きこもりの毎日。

妊娠したハンターに
舅は言う
「次期CEOの誕生だな!!」

え?

とにかく、夫のリッチーはモラハラ夫っぽいし、ハンターに対しての態度がキスやハグや「愛してる」の言葉より
ぞんざいに扱っているのが分かる。

"孫が出来た喜び"よりも
息子のリッチーの"後継ぎが出来た"喜び。
の舅姑。

ハンターは豪邸から外に1人で出掛けるシーンは無く、
この豪邸の中に閉じ込められているような閉塞感。

ハンターは、
氷から始まり、ビー玉、そして、パケ写にある画鋲…色々な物を飲み込み、
飲み込んだ物の排泄…そして、飲み込んだ物によっては、時に苦しみを伴い、
その"苦しみ"によって、彼女は"自分の存在の意義"を見つけようとして行った訳なのですね。

これは、ストレスもあるけれど、原因はそこでは無いんですよね。

多分、リッチーの両親からすれば
「どこの馬の骨とも分からない女」と結婚してしまった息子。
事後報告だったのでしょう。

病院でお腹の中の赤ん坊のエコーを撮っている時に異物が見つかり、
ハンターの異食症が夫リッチーにバレてしまい、

精神科のカウンセラーに通わされ…ドクターの事を信用して話した事が夫のリッチーに筒抜けだった時のショックとやら!!
守秘義務というものは無いのでしょうかね??

ハンターの出生の秘密が分かり、
ハンター自身、お腹の子供に愛情すら持てずにいる意味が分かります。

この物語は
ハンター自身の"自分の存在意義"を探し求める映画だと思いました。

そして、私には分かりづらかったラスト。
あぁ…そういう事だったのか…。


さて、話は変わり
圧倒的な映像美
冷たい豪邸の中で、
ハンターが着ている赤いドレス。
血の赤

無機質な色の中に赤を持って来る技法も、監督は計算しているのだと思いました。
デイ

デイ