ジュライ

Swallow/スワロウのジュライのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.9
女性にとってはある意味究極のホラーかも。

めちゃくちゃ恐ろしい状況なのに、あらゆるシーンで色彩が計算され尽くしていてうっとり。
冒頭の、空も床もガラスも服も全部青色のシーンがあまりにも美しい。
基本的にカメラの動きが少ないので、各シーンが一枚の絵画みたいでもある。

自分たちの生活そのものを展示品にされているかのような全面ガラス張りの家。
無断で家に上がり込んではあれこれ強要する義母。
空気扱いしてくる義父。
想像力も共感力もゼロで、妻の秘密を平気で他人に言いふらし、あまつさえ自分が被害者顔をする夫。
誰もヒロインの意思や好みを一顧だにせず、疎外感と孤独感の中での妊娠……。

きっついなぁ。
これにかなり近い状況の人が身近にいたので絵空事と思えず、余計鬱々としました。

「私が選ぶ」と言えて、あの決断ができたハンターを祝福したい。
ジュライ

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