序盤からかなり息苦しい。
でもこの息苦しさに身に覚えがある人ってわりと多いんじゃないかなって思った。
ハイスペの旦那と素敵な邸宅で暮らし、不自由のない専業主婦。
夫は優しくて、義両親もフレンドリーで…
外から見たら、何が不満なの?って思われるような生活。
なのに、居心地悪いなぁ、、と感じずにはいられない絶妙なモヤモヤ具合の演出が凄い。
それは例えば何かを相談してるのに、携帯をいじって生返事しかしなかったり、口では良さげなこと言ってるけど行動に「どーでもよさ」が現れちゃってる夫、リッチーにずっとイライラしていました。笑
あとリッチーの両親もなかなか…笑
ハンターの抱える不安や孤独が妊娠を機に更に加速していく展開になるのですが、それでもリッチーはハンターの不安定さに気づいているのかいないのか向き合うことはなく、異食症になってからもお手伝いさんを雇って見張らせたり、何か欲しいものある?とかお金で解決しようとするばかり。。
お金や言葉をかけてくれるよりも、ただ向き合ってあげてよ、話を聞いてハンターのために時間を割いてあげてよって見ながらずっと思ってた。
「俺は忙しいから」そう言って、ハンター自身と向き合わない。
でも、こういう人いますよね。
産後クライシスとかよく言うけど、子供生まれたらハンターもっと苦しくなるだろうなぁって感じ。
何も前情報とか見ずに見たんですけどフェミニズム的な映画だったんだなぁ、とここにきてようやく気付きました。
どこか満たされない気持ちを抱えているハンターが自分自身でも幸せなはずと信じ込んでいる前半ではハンターがいまいちどんな人間なのかよく分からなかったんだけど、後半になってリッチーや父親に怒鳴るシーンでようやく感情が露わになって人間味が出てきたのがよかった。
それまでは言われるがままで自分の感情を出すことはおろか、自分ですらわからなかったんじゃないかなって思う。
途中まではずっと苦しくてどう着地するのかわからなかったんだけど、ラストは希望が見える感じでよかった。
にしても、リッチーはクソだったな。
女は自分の所有物って感じが本当に胸糞悪かった。。
薄暗くなった窓の外から光が入って青い画面が凄く綺麗でよかった。