Millet

Swallow/スワロウのMilletのネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

異物は外に出すもの。

主人公ハンター自身が間違いによって生まれた子供で、納得のいかないことを強いられ飲み込むだけの生活は辛かったのだと思う。
シリア出身のヘルパーは唯一彼女の気持ちに寄り添い続けたが、何の感謝もされず可哀想だった。

映画後半、義両親や旦那から手に負えないからと入院を勧められて逃げ出し、飛び込んだモーテルで花壇の砂をスナック菓子のように口に放り込んでは嘔吐し、翌日母親に助けを求めるも遠回しに拒絶され、実のお父さんに会いに行き会話するシーンまでがとにかくストレス。その後堕胎するというオチはなるほど、と思ったが。

とにかく苦しい映画だった。

“ハンターが自分で選択して抜け出した”ということに重点を置いているように見えるが、義両親はとても親身になってくれていたし、神経質だが旦那は旦那なりに妻を愛していたように見える。
それなのに彼女の意思だけで子供をどうこうするというのはやっぱり少し矛盾しているし「俺の子供を返せ」という最後の旦那のセリフも納得してしまう。
望まぬ妊娠は辛いことだし、そこから抜け出す手段があることは大切だが、ハンターにとってこれは本当に望まぬ妊娠だったのかというと、やはり違う。

望んでいなければ避妊するなり、子供ができる前に何か出来ただろうと思うと、人の命を軽く考え過ぎている幼稚な行動のように見えてしまった。

別に人が死ぬとか拷問されるだとか、そんな映画はたくさんあるしそれはそれとして見れるのだが、どうしてもこういうストレス映画では振り回された周りの家族に目がいってしまう。

ハンターは被害者だったが、
結果的には義両親も、旦那も被害者だ。
そしてお腹の子は犠牲になった。
Millet

Millet