ちぬちぃぬ

Swallow/スワロウのちぬちぃぬのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.0
なんと!こういう映画だったのか…少し驚きましたが、最終的には超納得でした

堕胎に関する女性の人権?が精神面中心に描かれていた。。。
直接的にそういうパワーワードは使わずに描かれていたと思います
例えば多くの場面で象徴的に、メインヒロインが画面の中央に配置されていて、それこそが彼女が決める『意志』なんでしょう
家族、周りの誰か、社会とかじゃなく

彼女の"異食症"という症状は一種の自虐行為で、それは彼女の出生に関係しているのかもしれません
この部分の描写もレイプによる妊娠、そして堕胎出来るか否か
また産んだ場合のその子の人生まで含んだ描写だったと思います
自分が本当は、母親がレイプされたために生まれた子だと意識下にずっとあって相当傷ついているんでしょう

そして何より、"異食症"によって描かれているのは体内(胎内)の異物感、異物を排除したい気持ち、排出した異物に少し愛着がある
体内に異物がある喜びと悲しみが妊娠とオーバーラップさせてるように感じられました
(現実では妊娠中のみ土や壁などを食べたくなるケース等は聞いたことあります)

また夫は外の社会ではそこそこ巧くいっている人物だけど
両親の支配下にあって、まだ真に自立できていない坊やなんですよね
それが子供作ったという感じ…
まぁこうなるかという夫婦生活に見えました
『結婚』を辛いものにしているのはなんだろう
人それぞれだろうけど「家父長制」が緩くなれば地獄は減るかと感じます

この作品は色使いが綺麗でオシャレ✨とても好感持てました