コービーブラック

Swallow/スワロウのコービーブラックのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.7
誰もが羨む生活をするヒロインだが、異物を飲み込むことでしか自分を保てない…。これは倫理観を揺さぶられる「劇薬」だ。ヒロインに肩入れし過ぎるのは危険すぎる。果たして正しい決断をしたか、自分が夫なら救えたか…エンドロールが流れても観客の心に「異物」は残り続ける。
ヒロインは人生を彩るため、服や部屋を飾り立てるが、それは虚飾に過ぎない。心情を描く色彩美やファッションの構成や変化も見所だ。そして、観察するような引いた画も印象的。徹底した様式美に、切実なテーマを伝えたいという監督の気概を感じる。他者との違いを尊重することは難しいが考え続けたい。