叡福寺清子

Swallow/スワロウの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.5
たいへん裕福なコンラッド家に嫁いだハンターさん.ですが,小市民が出自のハンターさんには,その豪邸もセレブ意識満載のご主人や義父母に違和感を感じていました.またご主人や義父母も,どこか潜在意識下でハンターさんを見下しておりました.そして妊娠.それを機にご家族に良き変化が・・・どころか増々孤立感深めるハンターさん.ある日,衝動が抑えきれず,ビー玉を飲み込みます.今まで感じたことのない達成感を得たハンターさん.異食行為は当然エスカレートし・・・

異食症といえば,「俗物図鑑」を思い出す方とはいい話ができそうな,三遊亭呼延灼です.こんばんわ.あの作品は,たしか月経の時期のストレスで壁土を喰うみたいな話だった思いますが,違ってたら秒で謝罪します.
で,ハンターさんの場合は,空虚な日常では得られなかった達成感,人生の充足感を得るために繰り返された異食行為.もちろん,その行為の代償はハンターさんが負うべきものでありますが,異食行動に至るまでに追い詰めたのは、まぎれもなくご主人や義父母でしょう.それを顧みる事なく,ハンターさんを言外に責める,もしくは庇護しようとする行為は,もちろんハンターさんの心を癒やす事には繋がりませんでした.さらにはあてがわれたカウンセラーは守秘義務を放棄し,ハンターさんの過去をご主人に話してしまいます.最後の拠り所からも裏切られたハンターさん.その後にとった行動に対して,いったい誰が批判できましょうや.なお最後の最後,音がしなかっただけ『あのこと』よりもマシと思った御仁とはいい酒が呑めそうです.もっとも,私は呑めないんですけどね・・・

もしハンターさんが,それこそ販売店の従業員や店長さんと結婚していたら,異食症を患っていたでしょうか.日々の生活に追われ,それどころではなかったでしょう.奇しくも見張り役の看護士が,「戦時下ではそれどころではない」と断言したように.であれば,身分が異なる人物同士の結婚が必ずしも幸せにはつなが・・・・・・・・・ん?身分が異なる・・・・・・・・・はて?どっかで聞いた事があるような・・・嫁が東大卒の才女でミス日本の最終選考まで残るような美貌と聡明を兼ね備えていて,方や旦那は高卒の落語しか取り柄がなくって,しかもその落語さえ30年続けてても半人前・・・はっっっっっっっっウチじゃん!!!!!!かれんさん,変なもん食ってないでしょうね,どうせ喰うなら,あたしの愚息ぐらいにしてくださいよ!!!

あとOPの羊や,やたら登場するプールや,ハグしてくれおじさんの意味に関しては,真面目レビュワーを参考にして下さい.こちとらスチャラカ・レビュワーなんですから,そういった難しい事は求めないでください.