Monisan

Swallow/スワロウのMonisanのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.9
観た。

変な映画だなぁ、と思って始まり。
徐々にザワザワしてきて、異食症という病気がある事を知り。そこからは息苦しくなってきて、段々切なく愛おしくなってきて、ラストはスッキリでも無いけどきちんと水に流して終わる。

この映画が魅力的に見えるのは、ハンター役のヘイリー・ベネットの魅力だと思う。印象的なポスターのビジュアルから気になっていたけど、不思議な雰囲気の役者さん。最初は2代目のボンボンの玉の輿奥様を華麗に演じているようにも見え、氷を口に入れて噛んだり、仕事はほぼ販売員でしたと語ってからは確かに、元々の育ちのそこまで良くなさが滲み出て見える。
でも女性としてセクシーでもあり、キュートでもある。

病気や出生時の過去が語られてからのハンターは儚さや病的な表情がとても良くて、逃げ出した後のカジュアルな服装の彼女は本当にその辺にいる女子に。素晴らしい。

異物を飲み込む時の艶かしさ、便から取り出したり嘔吐している姿も色っぽい。やばいすっかり魅入られてしまったかも。

彼女にとっては格差婚自体が、またその良家の子供を身籠る事自体が異物を取り入れる事だったのだろうか。ラストの表情が、初めてビー玉を取り出した時と同様にとても清々しい。

まぁ一見優しいけど、下々の気持ちなど理解する事の出来ないサイコパス金持ちはいるよね。
またお母さんを犯した犯人に会いに行くのも、ある種の自己探究なのか。

なかなか芯のある面白い映画でした。

カーロ・ミラベラ・デイビス、脚本・監督
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