2月

Swallow/スワロウの2月のネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自分の存在が罪であるのではないかとずっと悩みながら生きてきた女性が妊娠し、異食症になってしまう話。
異食症は自傷行為に当てはまるのかわからないけれど、自傷行為はただただ苦しいだけではなくて、その行為でしか得られない安らぎがあるから徐々にエスカレートするし、依存してしまう。周囲の心配がその行動を加速させるし、行動が加速すれば比例するように周囲の心配は過剰になる。その様が丁寧に描かれていて、物語が進むごとにハンターから異食を奪ってしまうのは酷だと思うようになった。
ハンターはその境遇から、自分の存在が罪だと思っていたために、その罪の自分から命を産み落とすことに対しての疑念や不安があったのかもしれない。この物語は異食症が主軸となって進んでいくが、どんな生まれ方をしてもその存在に罪などない、潔白なのだということが本筋だ。自らの力で実父の元へ行き、対峙したシーンに涙してしまった。ハンターのラストの決断に絶対的に味方したい。

義母のうるさい小言の後に、けたたましい掃除機の音がなり、コードが跳ねるシーンや、排出された異物を丁寧に並べるシーンなど、映し出す映像ももちろんだが、感情を情景で表す演出がとても上手だった。
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