このレビューはネタバレを含みます
よくあるサイコスリラー系かと思ったら、全然違うかった。いや、それの雰囲気はあるんだけど、女性を取り巻く問題が垣間見える作品だった。でも観終わったあとは鬱屈とした気持ちじゃなく、なんかスッキリというか前向きになれる不思議。
特に父親と対峙するシーンはかなり好きだった。ハンターは父親に対して「あなたの口から聞きたい」「私を恥だと思うか」と言葉を求めた。自分の中で自分の存在が揺らぐハンター。苦しみの根源となった父だったが、他者からの言葉が彼女に与える影響はかなり大きかったように思える。
エンディングも印象的。アラナ・ヨークのanthemという曲で、映画の内容とは裏腹にかなり前向きで、ハンターの背中を押すような歌詞だった。ハンターに感情移入していたわたしはこの曲で晴れやかな気持ちになれた。何人もの女性が次々に出入りするトイレの様子は、お金持ちで優雅な暮らしながらも孤立した存在だったハンターが、「普通の女性」になり社会に溶け込めたというような印象を受けた。他にもどういう解釈があるのか気になる。
主演の女優さん36歳らしい。24歳くらいかと思ってたのでたまげた。
2024年33本目