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5月の花嫁学校のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

5月の花嫁学校(2020年製作の映画)
3.3
良妻賢母になるための花嫁修業学校がフランスでもたくさんあった時代。
花嫁学校の先生や生徒たちが自由ではつらつとした女性へ生まれ変わっていく様子を、1968年のパリ5月革命の勃発に重ねて、ユーモラスに描いた女性讃歌。
監督・脚本は、マルタン・プロヴォ。
原題:(仏) La bonne épouse /(英)How to Be a Good Wife (2020)

1967年、フランス。
美しい街並みと葡萄畑で有名なアルザス地方にあるヴァン・デル・ベック家政学校では、若い女生徒たちに、完璧な主婦、理想の花嫁となるためのマナーや料理法などを教えていて、今年も18人の少女たちが入学する。
ところが、経営者(フランソワ・ベルレアン)が突然亡くなり、残された妻=校長(ジュリエット・ビノシュ)は、夫が多額の借金を作り学校が破産寸前であることを知る。
窮地から抜け出そうと信託銀行に駆け込むと、なんと、マネージャーは第2次世界大戦で死に別れたはずの恋人(エドゥアール・ベール)で、学校存続の裏ワザを教えてもらう一方、熱烈に迫られる。
学校ではいろいろなことが起こるが、ある生徒が取った行動が、校長の考え方を決定的に変える。
パリの見本市の時期になり、アルザス地方の家政学校を代表して参加するため、先生と生徒たちはバスに乗り込む。
その途上、パリで5月革命が勃発する…。

~家政学校の他のスタッフ~
・夫の妹(ヨランド・モロー):ギックリ腰気味の料理の先生。アンドレに恋をする。
・シスター=修道女(ノエミ・ルボフスキー):"赤毛は不吉"などの迷信を信じる。戦時中はレジスタンスの闘士。

~主な生徒たち~
・アニー(マリー・ザブコベック):男と会うため夜中に抜け出す。
・アナマリア(アルバーヌ・デ=ドゥ=ポン):レズビアン。
・コリン(ポーリーン・ブリアン):赤毛。親の決めた結婚相手がいる。アナマリアに好かれる。
・イヴェット(リリー・タイエブ):メガネをかけていて、地味め。繊細。親ほど年齢の違う男との結婚を決めたという親からの手紙がくる。

~テレビ・レポーター~
・クリスティアーヌ(アルメール)

「私は、結婚しません。
…結婚を信じないなら、何を信じるの?
愛よ」

「良妻の時代は終わった。タイタニックの沈没だ。これ以上男の奴隷になれとは言えない。こんな仕事やめるわ。これは革命だ」

ラストシーンは、監督の思いが込められているでしょうが、高揚感一杯の感じは、好みが分かれるかも。
フランスを代表する3人の女優たちのコメディ演技を楽しみたい。
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