パルパティーン

ピーター・パン&ウェンディのパルパティーンのレビュー・感想・評価

3.8
ミラジョボビッチの娘のエヴァアンダーソンが出るということで気になって見てみた。話の盛り上がりはあまり期待せずみたけどまあ予想通りだった。けど、フックとピーターの関係性やネバーランドの現実さや話の根幹の部分の解釈で深くて面白味があった。

主人公はウェンディでピーターはこの話の核とはなるが派手に演出されているわけではない。このポジションどりの撮影が上手いなと感じたし、これでよかったと思う。そして、フックとピーターの関係性が深ぼって描かれていた。フック船長えおジュードロウが演じている。さすがジュードロウだなと思うポイントがいくつかあって配役がしっくりきた。今回の映画では海賊側と子供たちの配役がちゃんとしていた。特に海賊側がよくて感情移入していた。

ネバーランドの現実さがすごかった。ちんけな島で楽しい要素が全然ない状態で、思わず「え?」ってなってしまった。このちんけさがよりさっき自分が言った面白味の部分を引き出しているのかなと感じた。

ピーターパンという物語の解釈が再構築されていると思っている。小さい頃見ていた自分が知っているピーターパンとは少し違っていた。ずっと子供でいるということがどれだけ恐ろしいことなのかやネバーランドという世界がどれだけ怖いのかがこの年齢になってわかる。小さい頃は表面上のことしか見ないけど、年齢を重ねるにつれて小さい頃わからないことがわかるようになる。このネバーランドはフック船長とピーターパンがいてこそ成り立つ構図でありおとぎ話である。どちらかが欠けると意味がないし物語として破綻する。

前半でやはりピーターパンにイラッとしてしまった。自分から連れてきておいて、親の元に帰りたいとか言ったらここに残ってくれよと言ったりするので、自分の価値観や考えを押し付けている。人に押し付けるというのがこんな感じであるとしっかり描いてくれている。押し付けてはいけないということを、教えてくれている映画であると思う。

ポリコレポリコレと言われているが、一回フラットで見たけどやはりティンカーベルの違和感は拭いきれなかった。それぞれ俳優の適材適所というものがあると思うが、最近のディズニーはそんなことお構いなしにしている。実力がありその人の適所なら誰も文句は言わないと思う。しっかりしてくれディズニー。頼むよディズニー。

まあ色々言いたいことがあるがよかったのではないかなと思う。エヴァアンダーソンとジュードロウ最高!


2023年46本目