コマミー

ピーター・パン&ウェンディのコマミーのレビュー・感想・評価

3.7
【大人になれない人達】






本作は結構不評が多い実写化作品なのだが、本作は"アニメーション版にはなかった描かれ方"があって中々楽しめた。

まずは"先住民"の描かれ方だろう。"タイガー・リリー"がとても"頼もしい救援者"として登場するのだ。勿論、アニメーション版でも"迫害"に負けない強い少女であったのだが、本作ではよりアップデートされた描き方、いわゆる"ピーターパン"と"子供達"の救援者として登場したのだ。私は実はあの迫害のシーンがとても苦手で、「ダンボ」や「くまのプーさん」のあのシーンと並んで子供の頃は怖かった。
だが、それを一新してくれたディズニーには感謝している。勿論、あの描き方を否定もしたくない。重要なシーンである事は間違いないので。

そしてピーターパンと"フック船長"…この2つの"過去の確執"について本作は深く描いている。そこには"ネバーランド"の住民にある「大人になれない人達」の要素の一つのヒントになる所だなと感じたし、フックがなぜピーターパンに固執するのかの答えも見えてきたものになっていた。

残念な点と言うのは、"VFXのクオリティー"だ。今までの私が観てきたディズニーの最近の実写化作品に比べたら圧倒的に低いと思う。ストーリー性重視なのだろうが、ちょっとそこが残念であった。


A24作品でお馴染みの"デヴィッド・ロウリー"監督によって、新たに解釈して作った「ピーターパン」の実写版。
アニメーション版では基本的に"ウェンディ"が中心的な主役として描かれていたが、実写版では"ピーターパンとフック船長の物語"となっていて、ある意味深い意味を持つ作品だなと感じた。

情景も中々美しいので、楽しい作品でした。
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