Boss2054

ピーター・パン&ウェンディのBoss2054のレビュー・感想・評価

4.7
ワタシにとってのピーターパンは、
1953年版のディズニーアニメ。
もちろん、再映で観たのだが、
コレが原点。

スピルバーグが云ってたけど、
E.Tの20周年記念での公開時に、
時代の要請に応えて、ライフルをトランシーバーに変えたコトを今、後悔している、ト。
あの時代だからこそあの作品だったのだから、
それを時代が変わったからと云って、作品まで、
一部とは云え、変えてしまうのは、
時代と作品の関わりを無視する行動だったのではないか、ト。
もっと、時代と作品を大切にするべきだった、ト。

で、ワタシはこの作品のキャスティングに⁇である。
古典的な名作であるキャラクターのキャスティングを変えるコトにどう云う意味があるのか良く分からない⁇
それこそ、時代と作品を無視しているような気がする。
特にディズニー作品は最近よくやるけど、
どう云う意図なンだろう?
多様化?
それで、
キャラクターや作品の本質や意図が変わってしまうのは構わないのだろうか?

ジュード・ロウのフック船長とエヴァー・アンダーソンのウェンディは素晴らしく良かった。
エヴァーはお母さん、ミラ・ジョヴォヴィッチにホント良く似ている!
彼女、日本語もペラペラなので、共感度マシマシである。
お母さんみたいになるのかなあ…。
シン・バイオハザード、やるのかなあ…。

で、この物語の核心は、
ピーターパンとフック船長の関係。
それを見詰めるウェンディの成長物語である。
子供サイドをピーターパンが、
大人サイドをフック船長が、担っていて、
その両者の言い分を、大人になるコトに躊躇しているウェンディが判断するト云う仕掛けになっている。
この辺りの三者の心情表現は非常にうまくいってる気がする。

が、肝心のピーターパンの物語に於けるワクワクドキドキ感がやや欠落しているように感じた。
それは恐らく、ネバーランドを現実的に描きすぎたからではないだろうか?
でも、それも恐らく、クリエイターサイドの意図のような気がするが、
前記したようにアニメ版のピーターパンにルーツを持つワタシとしてはいささか⁇である。

が、海賊船も含めた子供たちの飛行シーンも素晴らしいし、
見どころは結構ある。
ラストの、何故、ピーターパンがウェンディの家を訪ねて来たのかト云う種明かしも説得力があった。

この作品からピーターパンを知る人にはまた全く別の感想が生まれるのだろう。
自身の原点のピーターパンがどの作品かによって感想が大いに変わる気がする。
そんなワケで是非一度ご覧になってはいかがでしょうか?
見比べるのも一興か、ト。
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