ちょも

ピーター・パン&ウェンディのちょものレビュー・感想・評価

4.5
ティンカー・ベルをアフリカ系にしたのはクソデカい釣り針だった。
本質と向き合わなければ妖精の声は聞こえないっていうのは上手い文脈よね。
それでも周りのキャストがイメージ通りであるが故に、人種変更に無理矢理感を感じてしまう僕には彼女の言葉を聞き取れないんだろう。
ポリコレブームへの警鐘として敢えて露骨なキャスティングをしてるとしたら天才すぎる。

実写にすることでピーターパンの無邪気なド畜生という側面が浮き彫りになってしまうわけだけども、それを逆手に取って「ウェンディの成長」を主軸に据える脚本がグッド。
子供のままでいるピーターパンと、大人になることを選ばずに歳を重ねたフック船長との両方を悲劇的なヴィランとして描くのは配信専用ならではって感じ。

楽しいこととは未来の可能性であり、思い出は懐かしむものというメッセージが一貫しててすき。ディズニーだからか説明しすぎだけど。

何かを否定することで満たされている、発想が凝り固まった「大きな子ども」としてデザインされたフック船長。
批判してる人たちみんなすげー馬鹿にされてるよ。
ディズニーの主要顧客であるガキ共、批評家気取りの害悪、多様性に毒された表現者、この全員を皮肉った傑作。
劇場公開予定だったけど尖りすぎて配信落ちしたという説を提唱したい。
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