キュラソー

ピーター・パン&ウェンディのキュラソーのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

明るい部屋のそこまで大きくないモニターで鑑賞するには見辛いことこの上ない暗さとロングショットを真剣に演出して撮っていることに感動する。これを映画館で見ることができたら…と楽しいことを想像したくなる。元々Disney+で配信した後に劇場公開という段取りを想定していたようだが、パンデミックの影響で配信のみになったらしい。なんと勿体無い。

とはいえ、お話としては結構雑で、大人になりたくないウェンディの話として始まったかと思えば、ネバーランドに行ってみると彼女は相対的には十分大人だったということが分かり、彼女はアッサリと元いた現実に戻りたいと思い始める。なので、処刑の間際に大人になった自分を想像するシーンがとても段取り臭い。

そして、話の軸はむしろピーター・パンとフック船長の復縁へと傾いていくのだが、これは素直に感動的だった。妖精の粉を纏って楽しいことを想像すれば空を飛べるという設定で、楽しいことが「何も思いつかない」と言って虚しく落下していくフック船長の描写は寓話的だが、結局普通に生存しているのがなんとも痛快。ウェンディの家出で始まった物語が、ウェンディの帰還ではなく、ピーター・パンがフックの元に再び駆け付ける所で終わるのは歪だと思うが、これで良かったと思う。
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