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アンナ・カリーナ 君はおぼえているかいのjamのレビュー・感想・評価

3.8
幼くして父と別れ 孤独を知る

子どもの頃は何かあるたびに家出
そう、彼女はいつもひとり

新聞を売って貯めたお小遣いで
何度も通った映画館
衝撃を受けたのはジュディ・ガーランドの
「スター誕生」


アンナの4人目の夫で、彼女を看取ったデニス・ベリーが彼女への想いを込めて綴る

カルチェラタンの小さな映画館で
スクリーンに映る自らの煌めく姿に
その大きな瞳をきらきら輝かせながら語る


…私はアンナ・カリーナのほんの一部分に触れただけ…

55分の濃密なラブレター
彼女の軌跡を辿ればさらにその魅力の虜に

ゴダールとの蜜月から、
女優として才能が開花していくさま

人生と映画が連動していた

愛と別離を繰り返し
ハリウッドの扉を叩き
憧れの「スター誕生」さながらに
"天からの贈り物"ミュージカル出演
歌手としてツアーで世界を周り
東京での公演で、客席に自分の演じたキャラクターのコスプレの女の子を見つけてはしゃぐ


父の影を追い求め 
コペンハーゲンの凍えた家出娘アンナは

タイトルロール「アンナ」でのゲンスブール作曲の歌で歌ったように

太陽の下

もう凍えることはない
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