けーな

シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~のけーなのレビュー・感想・評価

4.3
とてもいい映画だった。派手さはないけど、イギリス映画らしい、とても心に沁みる映画だった。そして、最後の式典でのコーラスには、涙が出た。

原題は、「Military Wives」で、まさしく、「軍人の妻たち」を描いた映画。実話ベース。

駐屯地に住む軍人の妻達は、夫が戦地に赴任している間、電話が鳴るたびに、凶報じゃないかと怯え、苦しい日々を耐えて過ごしていた。そんな彼女達が合唱団を作り、紆余曲折しながらも、団結し、戦没者追悼イベントで歌うことになるというストーリー。

戦地に行く兵士達は、もちろん辛いけど、待つ身も辛い。戦闘地域に家族が行くと考えるだけでも、恐ろしい。この映画では、アフガニスタンに赴任した英国軍の駐屯地が舞台。主人公は、過去に息子を戦地で亡くしているし、合唱団のメンバーの1人は、ある日、玄関のチャイムが鳴って、夫の訃報を知らされる。辛すぎる出来事だ。

最後の戦没者追悼イベントは、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われる。メンバー達が、バスでロンドンに到着して、ホールの美しい外観を車窓から見つめるシーンが印象的。

メンバーみんなが、戦地の夫とやり取りした手紙からの一説をまとめて歌詞にした曲が、素晴らしかった。また、80年代のポップスも色々出てきて、楽しかった。

彼女達の合唱団を見習って、他の地域の軍人の妻達も合唱団を作り、現在、75の合唱団、総勢2500人が、実際に活動しているという。実際の彼女達の映像が、ラストに出てきて、とても感動した。素晴らしい活動であるのだけれど、つまり、戦闘地域に赴任している兵士達が、現実にいるというわけなので、悲しい。

監督は、「フル・モンティ」を監督したピーター・カッタネオ。

邦題は、もうちょっと、何とか、ならないのか。
けーな

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