東京国際映画祭学生応援団

ハッピー・オールド・イヤーの東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

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ミニシアター巡り⑦
[飯田橋ギンレイホール]で鑑賞しました!

モノを捨てるだけが、人生を懸けた壮大なドラマに。

あなたが捨てるものはゴミですか?思い出ですか?
目指すところは新しい人生ですか?虚無ですか?

そんな非常に苦しい問いかけをされているようで、否が応でも自分の人生と重ねてしまう。笑

それでも作品全体に漂う、深入りしすぎない人間模様と、いい意味でドライな場面の切り替えのおかげで、不思議と居心地の良さを感じる1本。

冒頭で作品のオチを分からせているが故に、劇中の些細な言動や表情に一層の深みが醸し出される演出で、人生初のタイ映画としても大満足…!

主人公が友人や恋人との"思い出"を捨てていく物語…と捉えてしまうと、なんとも薄情で自己中心的な作品だと思ってしまうが、そもそもの動機となっている「家族関係からの脱出」や「田舎町からの脱出」といった側面から考えると、ひとえに身勝手とも言えず、共感できる部分が多い…。

一生のうち何万人という人と出会う中で、そこに発生するモノのすべてにも、それぞれのエピソードがある。

本作では何が正義で、何が悪か、なんてことは描いておらず、その複雑に絡み合った「何か」を観客ひとりひとりに訴えかけているよう。

ひとまず私は来世でも断捨離できそうにないですが…笑
ぜひ観た人みんなの感想を聞いてみたい作品である。

《鑑賞者: ひろ》

ミニシアターを応援したいという気持ちから、学生応援団のメンバーでいくつかのミニシアターにお邪魔させていただきました。
学生応援団が運営するnoteに順次記事を投稿していくので是非ご覧ください!