わらびもち

ハッピー・オールド・イヤーのわらびもちのレビュー・感想・評価

4.5
初めてのタイ映画でした。

一コマ一コマどこを切り取っても写真のようで美術作品のようでした。

日本や仏教が発祥とされている断捨離をしようと、スウェーデン帰りの主人公は実家をリノベーションすることを決める。しかし物には人それぞれの思い入れがあり中々捨てることができない。

断捨離をしていくプロセスの中で過去の人との繋がりをもう一度たぐいよせることになり、過去と向き合うことを余儀なくされる。

物は簡単に捨てられたとしても人はどうか、、。

私も断捨離をかじったことがあるのですが、やっぱりそんな簡単に大事な物は捨てられなかったですね。その点でとても共感できました。そして最後の主人公のやり切った時の表情が全てを語っていました。

元カレとの最後の会話も主人公同様、動揺しました。「過去」の断捨離ってこんなに難しくなるのですね。

主人公の家の物だらけの状態ですらどこか趣があるようで、お母さんが小さなデスクでご飯を食べながらブラウン管でテレビ番組を観てる様子やその部屋の壁に貼ってある物をみると、自分の祖父母の家のリビングルームを思い出しました。

アジア圏だからこそ、日本人の観客からすると懐かしみも感じるのではないでしょうか。

主人公はユニクロのモデルにいそうなスラっとした手足の長い女性で、服装もミニマリストを目指す人ならではといった白と黒を基調として、アクセサリーもミニマルで統一感がありました。
特に若い人はタイの郊外ではその寂れた街並みやシャッターなどに溶け込んでるのか対比しているのか、モダンな着こなしでした。
タイや他のアジアの国にはあまり行ったことがないので、このような映画を見て少しでも現地の様子やイメージを拾おうとしました。

主人公の兄のマーベルネタが面白かったです笑